研究業績 Teaching

研究業績Publication

2022

  • Shimamura M, Matsuyama Y, Morita A & Fujiwara T. Association between procrastination in childhood and the number of remaining teeth in Japanese older adults. J Epidemiol. 2022 Oct 5;32(10):464-468.

  • Hanafusa M, Nawa N, Goto Y, Kawahara T, Miyamae S, Ueki Y, Nosaka N, Wakabayashi K, Tohda S, Tateishi U, Fujiwara T. Effectiveness of remdesivir with corticosteroids for COVID-19 patients in intensive care unit: a hospital-based observational study. J Med Virol. 2022 Sep 23. doi: 10.1002/jmv.28168. Online ahead of print.

  • Morita A*, Takahashi Y, Takahashi K, Fujiwara T. Depressive Symptoms Homophily among Community-Dwelling Older Adults in Japan: A Social Networks Analysis. Frontiers in Public Health. 2022. Sep. 1-8. doi:10.3389/fpubh.2022.965026.

    https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpubh.2022.965026/full

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    「社会的ネットワーク分析を用いた日本人高齢者における抑うつ症状の類似性の検証」

    人は自分と似た人とつながろうとする傾向があり、また近しい人の感情が伝染することが報告されていますが、高齢者の社会的ネットワークにおける抑うつ症状の類似性はわかっていません。
    同じ町に住む日本人地域高齢者のネットワークを分析することによって、抑うつ症状、特に無気力度が似ている者同士で構成されている可能性を明らかにしました。

    【背景】
    老年期うつ病は、高齢者における深刻な事態を引き起こす精神疾患であり、認知症とならんで発症頻度が高いものの、大多数は未治療であり、再発が多いことが知られている。
    本研究は、高齢者の社会的ネットワークにおける抑うつ症状の類似性を検証し、効果的な介入方法を考察することを目的とした。

    【方法】2017年、宮城県涌谷町の国保または高齢者医療制度に加入する地域高齢者を対象に、地域で困りごとや不安を相談する相手・抑うつ症状(GDS-15に基づいて測定)・性別・年齢などの基本属性・世帯構成・生活機能に関する質問票を配布した。分析対象者660名における217,470個の潜在的な結びつきについて、Exponential Random Graph Modelを適用し、全体的および特異的な抑うつ症状の類似度による親密な関係性の有無のオッズ比を推定した。

    【結果】
    全体的な抑うつ症状の共起はわずかに有意であり(p<0.10)、2人の地域在住高齢者の抑うつ症状の度合いの差(最大15ポイント)が1ポイント増加すると、親密な関係である確率は5%減少することが示された(オッズ比[OR]、0.95;95%信頼区間[CI]、0.90-1)。うつ症状の特定領域に着目したところ、自殺念慮の度合いの差は親密な関係との関連が認められなかった(OR, 1.00; 95%CI, 0.87-1.14)。しかし、2人の地域在住の高齢者の間のアパシーの度合いの差(最大3ポイント)が1ポイント増加すると、親密な関係である可能性が19%減少することが示された(OR, 0.81; 95%CI, 0.67-0.98)。


    【結論】高齢者の社会的ネットワークは、抑うつ症状が類似する者達で構成されている可能性が示唆された。老年期うつ病予防には、ネットワーク介入が重要と考えられる。

  • Kashiwabara T, Fujiwara T, Doi S, Yamaoka Y. Association between Hope for the Future and Academic Performance in Adolescents: Results from the K-CHILD Study. International Journal of Environmental Research and Public Health. 2022 Sep 20;19(19):11890.

    https://www.mdpi.com/1660-4601/19/19/11890

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    「思春期における将来の夢と学業成績の関連:高知県子どもの生活実態調査」

    【背景】
    日本の学校では将来の夢を持つことが重要視されている。本研究は、思春期における将来の夢と学業成績の関係を検討することを目的とした。

    【方法】
    2016年に高知県で実施された子どもの健康・生活実態調査(Kouchi Child Health Impact of Living Difficulty(K-CHILD)study)からデータを取得し、調査には高知県の中学2年生(=13~14歳)3,477人が参加した。将来の夢、学業成績、勉強や遊びなどの時間に関する情報は、児童記入のアンケートを用いて、レジリエンスに関しては保護者記入のアンケートを用いて、傾向スコア法を用いて解析を行った。

    【結果】
    2,283人(65.6%)が将来の夢を持っていると回答した。将来の夢を持つ児童は、自己評価の成績が良く(β=0.21、95%信頼区間(CI)=0.10~0.32)、授業以外にも勉強し(オッズ比(OR)=1.89、95%CI=1.37 to 2.61)、本を読み(OR=1.45, 95% CI =1.19 to 1.75)、レジリエンスが高かった(β=1.48, 95% CI =0.98 to 1.98)。テレビやDVDを見る時間には違いがなかった(p=0.61)。

    【考察】
    以上の結果より、成績向上のため、思春期に将来の夢を持つよう促すことが重要であることが示唆された。

  • Hosokawa Y, Zaitsu M, Okawa S, Morisaki N, Hori A, Nishihama Y, Nakayama SF, Fujiwara T, Hamada H, Satoh T, Tabuchi T. Association between heated tobacco product use during pregnancy and fetal growth in Japan: A nationwide web-based survey. Int J Environment Res Public Health. 2022 Sep 19;19(18):11826.

  • Koyama Y, Nawa N, Ochi M, Surkan PJ, Fujiwara T. Joint Roles of Oxytocin- and Dopamine-Related Genes and Childhood Parenting Experience in Maternal Supportive Social Network. Child Psychiatry & Human Development. 2022 Sep 13. https://doi.org/10.1007/s10578-022-01434-4

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    「母親への支援的ソーシャルネットワークに対するオキシトシンおよびドパミン関連遺伝子と幼少期のペアレンティングの相互作用」

    産後の母親へのソーシャルサポートの形成に関して、遺伝的影響およびペアレンティングの影響はそれぞれ示唆されてきたが、それらの相互作用について、遺伝子環境相互作用(Gene-by-environment interaction)の観点からは明らかにされていません。親子3世代からなるデータを用いて、母親の産後のソーシャルサポートの形成には、遺伝的リスクとペアレンティングの相互作用が存在することが示されました。

    【背景】
    産後うつの重要な予防因子である母親へのソーシャルサポートの形成に対して、母親自身の遺伝子と幼少期に受けたペアレンティングがそれぞれ単独で関連があることは示唆されてきたが、それらの相互作用については明らかになっていない。

    【方法】
    祖母、母親、乳児からなる115組の3世代のデータを用いて、社会性に関連する遺伝子(OXTR rs53576, rs2254298, rs1042778; COMT rs4680)に関する遺伝リスクと幼少期に受けたペアレンティングとの相互作用を分析した。

    【結果】
    遺伝的リスクの高い母親は、幼少期に不適切なペアレンティングを受けていた場合、ソーシャルサポートが少ない(B = - 0.02, 95%CI = - 0.04 to - 0.01)ことが示された一方で、遺伝的リスクの低い母親では、ペアレンティングとソーシャルサポートの間に関連は認められなかった。遺伝的リスクの高い母親では、ソーシャルサポートが少ないことは、産後うつと関連していた(B = - 0.88, 95%CI = - 1.45 to -0.30)。

    【考察】
    社会性に関連する遺伝子のリスクアレルを多く持つ母親は、幼少期のペアレンティングに対してより強い感受性を示すことを示唆した。産後の母親の援助希求の理解において、遺伝的リスクと幼少期に受けたペアレンティングの両方を考慮する重要性を示した。

  • Matsuyama Y, Isumi A, Doi S, Shibata A, Ishii K, Oka K, Fujiwara T. Timing and intensity of physical activity and late sleeping habit among children in Japan. Frontiers in Pediatrics. 2022 Sep;10:915758.

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    「日本の子どもにおける時間帯別の身体活動と遅寝の関連」

    本論文では、藤原研究室が東京都足立区と共同で実施している「子どもの健康・生活実態調査」として、小学4年生と中学2年生の身体活動を活動量計で測定し、時間帯ごとの身体活動と睡眠習慣の関係を分析しました。始業前の低強度の身体活動が早寝を促す可能性が示唆されました。早稲田大学との共同研究です。

    【背景】
    どのような時間帯や強度の身体活動が子どもの睡眠習慣に関連するかは明らかでない。本研究は日本の子どもの時間帯別・強度別の身体活動と遅寝の関連を明らかにすることを目的とした。

    【方法】
    2018年に、東京都足立区の小学4年生と中学2年生を対象に始業前、始業後、放課後の身体活動量(低強度:1.5-2.9 METs、中強度:3.0-5.9 METs、高強度:6.0-20.0 METs)を活動量計で測定した(N = 411)。各時間帯・強度の身体活動と自己回答による平日の遅寝(小学4年生は22時以降の就寝、中学2年生は23時以降の就寝)の関連をポアソン回帰分析で分析した。学年、性別、世帯収入、BMI、運動部への所属、平日の起床時間、同時間帯の別強度の身体活動を調整した。

    【結果】
    総身体活動は遅寝と関連しなかった。始業前の低強度の身体活動は遅寝が少ないことに関連した(有病率比 = 0.82、95%信頼区間:0.68, 0.99)。始業後や放課後の身体活動は遅寝と関連しなかった。

    【結論】
    始業前の低強度の運動は子どもの早寝を促す可能性が示唆された。

  • Terada S, Fujiwara T, Tabuchi T. Threshold of equivalent annual income for self-harm ideation in mothers with infants in Japan: a cubic spline analysis. Psychiatry and Clinical Neurosciences. 2022 Sep 6. doi: 10.1111/pcn.13473. Online ahead of print.

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    「乳幼児の母親において自傷念慮リスクが上昇する等価年収の閾値」

    家庭の経済状況は自殺のリスク因子として知られていますが、産後の女性において自殺リスクが上昇する閾値がいくらなのかはわかっていませんでした。本論文は、 全国規模で実施されたインターネット調査「日本におけるCOVID-19問題による社会・健康格差評価研究(JACSIS研究)」のデータを用いて、2歳未満の子を持つ母親が自傷念慮を抱く等価年収(世帯人数を調整した世帯年収)を、スプライン関数を用いて解析しました。その結果、等価年収にして290万円以下で自傷念慮のリスクが上昇する傾向を認めました。

    【目的】
    COVID-19パンデミック時の収入の減少は女性の自殺リスク上昇に寄与していると考えられるが、自殺予防に必要な個々の世帯所得は不明である。我々は、2歳未満の乳幼児を持つ女性において、自殺のリスク因子である自傷念慮の閾値となる等価所得を明らかにすることを目的とした。

    【方法】
    2021年7月から8月にかけて実施された全国規模のインターネット調査(JACSIS研究)のデータを用いた(N=4,788)。参加者に世帯年収を申告してもらい、それを世帯人数の平方根で割って等価所得を算出した。自傷念慮はエジンバラ産後うつ病尺度で評価した。

    【結果】
    合計346名(7.2%)の母親が過去7日以内に自傷念慮を抱いていた。多変量ロジスティック回帰モデルにおいて、等価年収100万円未満および100万円以上200万円未満の母親は、等価年収600万円以上の母親に比べ、自傷念慮を経験するリスクがそれぞれ3.04(95%信頼区間[CI]:1.37-6.72)および1.87(95%CI:1.05-3.34)倍高くなることが示された。制限付き三次スプライン関数により、等価年収が35パーセンタイル(290万円)未満でオッズ比が急上昇する非線形の関係が確認された。

    【結論】
    乳幼児を持つ母親の中でも、低所得世帯(特に等価所得が290万円以下)の母親において、自傷念慮のリスクが高い可能性がある。本研究は、産後の女性の自殺を予防するための経済的支援政策の必要性を支持するものである。

  • Nakajima H, Morita A, Kanamori S, Aida J, Fujiwara T. The frequency of job participation and well-being of older people in Japan: Results from JAGES study. 2022 Sep-Oct;102:104720.

  • Miyamura K, Nawa N, Nishimura H, Fushimi K, Fujiwara T. Association between heat exposure and hospitalization for diabetic ketoacidosis, hyperosmolar hyperglycemic state, and hypoglycemia in Japan. Environ Int. 2022 Sep;167:107410.

  • Okawara A, Matsuyama Y, Yoshizawa AM, Unnai YY, Ogawa T, Tumurkhuu T, Ganburged G, Bazar A, Fujiwara T, Moriyama K. Association between child abuse and oral habits in Mongolian adolescents. Int J Environment Res Public Health. 2022 Aug 26;19(17)10667.

  • 長嶺由衣子*、藤原武男. コロナ禍の訪問診療対象患者の受療プロセスの不透明さと新たに生じた睡眠障害との関連. 日本在宅医療連合学会誌.2022 Aug;3(3):27-31.

    https://www.jstage.jst.go.jp/article/jahcm/3/3/3_3.3_27/_pdf/-char/en

  • Miyamura K. Nawa N, Isumi A, Doi S, Ochi M, Fujiwara T. Impact of exposure to secondhand smoke on the risk of obesity in early adolescence. Pediatric Research. 2022 Aug 13. https://doi.org/10.1038/s41390-022-02231-4.

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    思春期早期の肥満リスクに対する受動喫煙曝露の影響

    【背景】
    受動喫煙への曝露は、小児の肥満と関連する可能性がある。本研究では、思春期早期の受動喫煙への曝露状況の変化が肥満リスクと関連するかどうかを明らかにすることを目的とした。

    【方法】
    足立区で実施された子どもの健康・生活実態調査(Adachi Child Health Impact of Living Difficulty (A-CHILD) study)の小学生3605名の2018年(4年生)および2020年(6年生)の縦断データを用いた。小学4年生と6年生時の受動喫煙曝露の状況から、受動喫煙に継続して曝露された群、4年生時には曝露があったが6年生時には曝露がなくなった群、4年生時には曝露がなかったが6年生時には曝露があった群、継続して曝露がなかった群の4群に分類し、それらの受動喫煙曝露状況と小学6年生時のBMIカテゴリー(低体重または標準体重、過体重、肥満)の関連を順序ロジスティック回帰モデルを用いて評価した。

    【結果】
    受動喫煙に継続して曝露された群は、受動喫煙曝露が継続してなかった群と比較し、高BMIカテゴリーに入るリスクが高かった(OR=1.51、95%信頼区間
    1.16-1.96)。性別による層別解析では、男子では同様の関連が認められたが(OR=1.74、95%信頼区間 1.25-2.44)、女子では認められなかった(OR=1.14、95%信頼区間
    0.74-1.76)。小学6年生時に受動喫煙への曝露がなくなった群は、受動喫煙への曝露が継続してなかった群と比較し、高BMIカテゴリーに入るリスクが高くなく(OR=1.11、95%信頼区間 0.75-1.66)、男子も同様の結果であった(OR 1.46、95%信頼区間
    0.88-2.41)。

    【結論】
    継続的な受動喫煙への曝露は、思春期初期の男子において肥満の危険因子であった。しかし、思春期初期に受動喫煙曝露をなくすことは、肥満の予防につながる可能性がある。

  • Ojio M, Maeda Y, Tabuchi T, Fujiwara T*. The association between types of COVID-19 information source and avoidance of child health checkups in Japan: Findings from The JACSIS 2021 study. Int J Environ Res Public Health. 2022 Aug 7;19(15):9720.

  • Koyama Y, Fujiwara T, Doi S, Isumi A, Morita A, Matsuyama Y, Tani Y, Nawa N, Mashiko H, Yagi J, the Great East Japan Earthquake Follow-up study for Children (GEJE-FC) team. Heart rate variability in 2014 predicted delayed onset of internalizing problems in 2015 among children affected by the 2011 Great East Japan Earthquake. J Psychiatr Res. 2022 Jul;151:642-648.

    日本語アブストラクト

    「2011東日本大震災の被災児における、心拍変動と内的問題行動の関連について」

    【背景】
    自然災害を経験することは、長期的に、子どもの内的問題のリスクを高めることが知られている。我々は、災害でのストレスへの曝露が、その後のストレス体験に対する反応性を高める(神経回路の感作)ことで、災害の慢性期における内的問題行動を引き起こすのではないかと仮説を立てた。災害でのストレスへの曝露による神経回路感作のバイオマーカーとして心拍変動(HRV)に着目し、HRVと内的問題行動の関連を明らかにすることを目的とした。

    【方法】
    被災地3県(宮城、福島、岩手)と非被災地1県(三重)の4-6歳の子どもとその兄弟姉妹、両親を対象に、4年間にわたり追跡調査を行った(n= 155)。子どもの内的問題行動は、「子どもの行動チェックリスト(CBCL)」を用いて親により評価された。

    【結果】
    T2時点でのHRVはT3時点での子どもの内的問題行動と関連が認められなかった。しかし、T3時点におけるLF-HRVが低いほど、T4時点での内的問題行動の得点が高いことが示された(B= -1.72, 95%CI= -3.12 to -0.31)。

    【考察】
    災害の慢性期における内的問題行動の悪化は、自律神経系の機能障害によって予測される可能性があることが示唆された。

  • Koyama Y, Nawa N, Yamaoka Y, Nishimura H, Kuramochi J, Fujiwara T. Association between social engagements and stigmatization of COVID-19 infection among community population in Japan. Int J Environ Res Public Health. 2022 Jul 25;19(15):9050.

    日本語アブストラクト

    「社会的つながりとCOVID-19感染に対するスティグマの関係」

    【背景】
    未知のリスクに対峙した際、人は差別心や偏見ースティグマーを抱きやすくなる。本研究では、社会的つながりとCOVID-19感染に対するスティグマの度合いの関連性を検討することを目的とした。

    【方法】
    宇都宮市で実施されたコホート研究「宇都宮市 新型コロナウイルス感染症調査(U-CORONA)」に参加した429名のデータを分析した。質問紙により自分や周囲の人が感染した場合に感じるスティグマを測定した。また、ソーシャルキャピタル、社会的つながりの多様性と大きさについても尋ね、一般化推定方程式(GEE)を用いた重回帰分析によってスティグマとの関連性を調べた。

    【結果】
    全体として、女性は男性よりもスティグマ的な認識が強いことが示された。低学歴と抑うつ症状も強いスティグマと関連を示したが、年齢、世帯収入、既往歴の数は関連がなかった。また、ソーシャルキャピタルが高い人ほど、スティグマが弱かった(B=-0.69, 95%CI=-1.23 to -0.16)。一方、社会的つながりの多様性と大きさはスティグマの強さとは関連がなかった。

    【考察】
    社会的つながりの多様性や大きさではなく、ソーシャルキャピタルを高めることが、スティグマを緩和することに寄与する可能性が示唆された。

  • Matsuyama Y*, Tabuchi T. Heated tobacco product use and combustible cigarette smoking relapse/initiation among former/never smokers in Japan: the JASTIS 2019 study with 1-year follow-up. Tob Control. 2022 Jul;31(4):520-526.

  • Takaku R, Yokoyama I, Tabuchi T, Oguni M, Fujiwara T. SARS-CoV-2 Suppression and Early Closure of Bars and Restaurants: A Longitudinal Natural Experiment. Sci Rep. 2022 Jul 23;12(1):12623.

  • Isumi A, Doi S, Ochi M, Kato T, Fujiwara T. School- and community-level protective factors for resilience among chronically maltreated children in Japan. Soc Psychiatry Psychiatr Epidemiol. 2022 Jul 16. doi: 10.1007/s00127-022-02322-x. [Epub ahead of print]

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    「日本で継続的に虐待を受けた子どもたちのレジリエンスを高める学校や地域レベルでの保護要因」

    【背景】
    継続的に虐待を受けている思春期前の子どもたちのレジリエンス(逆境から回復し対処する能力)が、学校や地域レベルで介入可能な要因によって向上するかということを調べた研究はほとんどない。そこで本研究では、虐待に対するレジリエンスを高める学校や地域レベルでの要因を検証することを目的とした。

    【方法】
    東京都足立区における全公立小学校の1年生全員を対象に2015年から実施されている縦断調査「足立区子どもの健康・生活実態調査」のデータを用いた。小学1年時と4年時に虐待を受けており、レジリエンスの得点が欠損でない789名の児童を対象とした。児童が小学4年時に回答した学校レベルの要因(例:学校のソーシャル・キャピタル、相談できる友人の数)と地域レベルの要因(例:親以外でロールモデルとなる大人がいること、サポートしてくれる大人がいること、第三の居場所があること)が、親回答による小学4年時の子どものレジリエンスとどのように関連しているかを検討するため、単回帰および重回帰分析を行なった。これらについて男女別にも解析した。

    【結果】
    小学1年時のレジリエンスを含む共変量を調整しても、小学4年時の学校のソーシャル・キャピタルと親以外のロールモデルの存在はレジリエンスと正の関連を示した(係数:3.63, 95%信頼区間:2.26,4.99; 係数:2.52, 95%信頼区間:0.57, -4.38)。男女別の解析からは、女子においては、ロールモデルではなく、サポートしてくれる大人の存在がレジリンエンスと関連していることが明らかになった。

    【考察】
    本研究では、学校や地域レベルでの要因が虐待に対するレジリエンスを高めること、それらの要因が男女で異なることが示唆された。

  • Matsuyama Y, Fujiwara T, Murayama H, Machida M, Inoue S, Shobugawa Y. Differences in brain volume by tooth loss and cognitive function in older Japanese adults. Am J Geriatr Psychiatry. 2022 Jun 17;S1064-7481(22)00442-0. [Epub ahead of print]

  • Katagiri A, Nawa N, Fujiwara T. Association Between Length of Only-Child Period During Early Childhood and Overweight at Age 8 – A Population-based Longitudinal Study in Japan. Frontiers in Pediatrics. 2022 Jun 14;10:782940.

  • Aung MN, Koyanagi Y, Nagamine Y, Nam EW, Mulati N, Kyaw MY, Moolphate S, Shirayama Y, Nonaka K, Field M, Cheung P, Yuasa M. Digitally Inclusive, Healthy Aging Communities (DIHAC): A Cross-Cultural Study in Japan, Republic of Korea, Singapore, and Thailand. Int J Environ Res Public Health. 2022 Jun 7;19(12):6976.

  • Kobayashi T, Tani Y, Kino S, Fujiwara T*, Kondo K, Kawachi I. Prospective Study of Engagement in Leisure Activities and All-Cause Mortality Among Older Japanese Adults. J Epidemiol. 2022 Jun 5;32(6):245-253.

  • Tani Y, Koyama Y, Doi S, Sugihara G, Machida M, Amagasa S, Murayama H, Inoue S, Fujiwara T, Shobugawa Y. Association between gratitude, the brain and cognitive function in older adults: results from the NEIGE study. Arch Gerontol Geriatr. May-Jun 2022;100:104645.

  • Miyagi T, Nawa N, Fujiwara T, Surkan P. Social media monitoring of suicidal content and change in trends of Japanese Twitter content around the Zama Suicide Pact Slayings. Psychiatry Res. 2022 May;311:114490.

  • Doi S, Isumi A, Fujiwara T. Association between maternal adverse childhood experiences and child resilience and self-esteem: Results from the K-CHILD study. Child Abuse Negl. 2022 May;127:105590.

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    「母親の子ども期の逆境体験と子どものレジリエンスおよび自己肯定感の関連:高知県子どもの生活実態調査」

    【背景】
    母親の子ども期の逆境体験(Adverse Childhood Experiences: ACEs)は、その子どもの精神的健康に悪影響を及ぼすことがわかっている。一方で、母親のACEsが、その子どものストレス状況を対処する能力であるレジリエンスおよび自己肯定感と関連するかは明らかになっていない。

    【目的】
    母親のACEsが、子どものレジリエンスおよび自己肯定感と関係するかを明らかにする。

    【方法】
    本研究では、2016年に実施された高知県子どもの生活実態調査のデータの一部を用いて、高知県の小学校1年(2,759組)、小学校5年(2,878組)、中学校2年(3,143組)、高校2年(3,611組)の全児童・生徒およびその保護者12,391組を対象とした。母親のACEs(両親の離婚、虐待やネグレクトなど7項目)、交絡変数となる基本属性、子ども(小学校1年、小学校5年、中学校2年)のレジリエンスについて、母親に回答を求めた。子どもの基本属性、自己肯定感について、小学校5年、中学校2年、高校2年の児童・生徒に回答を求めた。

    【結果】
    交絡変数を調整した場合、母親のACEsは、子どものレジリエンスの低さ(p trend < 0.001)と自己肯定感の低さ(p trend < 0.001)と関連していた。媒介変数を調整した場合には、有意な関連性は認められなかった。母親のメンタルヘルス、現在の社会経済的状況、育児行動が、母親のACEsと子どものレジリエンスおよび自己肯定感との関連を媒介していた。

    【結論】
    本研究から、母親のACEsの経験数が多いほど、その子どものレジリエンスは低く、自己肯定感が低いことが明らかとなった。また、母親のメンタルヘルス、現在の社会経済的状況、育児行動が、その関係性を媒介することが示唆された。今後は、母親のACEsが子どものレジリエンスと自己肯定感に与える影響を軽減するような介入研究が必要である。

  • Morishita S, Yoshii T, Inose H, Hirai T, Yuasa M, Matsukura Y, Ogawa T, Fushimi K, Okawa A, Fujiwara T. Comparison of perioperative complications in anterior decompression with fusion and posterior decompression with fusion for thoracic ossification of the posterior longitudinal ligament -A retrospective cohort study using a nationwide inpatient database. J Orthop Sci. 2022 May;27(3):600-605.

  • Tani Y, Isumi A, Doi S, Fujiwara T. Number of siblings and social capital among parents rearing schoolchildren: Results from the A-CHILD study. J Epidemiol. 2022 May 28. doi: 10.2188/jea.JE20210510. [Epub ahead of print]

  • Yamazaki J, Kizuki M, Fujiwara T. Association between frequency of conversations and suicidal ideation among medical students during COVID-19 pandemic in Japan. Int J Environ Res Public Health. 2022 May 24;19(11):6385.

  • Okamoto Y, Doi S, Isumi A, Sugawara J, Maeda K, Satoh S, Fujiwara T, Mitsuda N. Development of Social Life Impact for Mother (SLIM) scale at first trimester to identify mothers who need social support during postpartum: a hospital-based prospective study in Japan. Int J Gynaecol Obstet. 2022 May 16. doi: 10.1002/ijgo.14263.

  • Tai SY, Cheon S, Yamaoka Y, Chien YW, Lu TH. Changes in the rankings of leading causes of death in Japan, Korea, and Taiwan from 1998 to 2018: a comparison of three ranking lists. BMC Public Health. 2022 May 10;22(1):926.

  • Mikami R, Mizutani K, Matsuyama Y, Gohda T, Gotoh H, Aoyama N, Matsuura T, Kido D, Takeda K, Saito N, Fujiwara T, Izumi Y, Iwata T. Association of type 2 diabetes with periodontitis and tooth loss in patients undergoing hemodialysis. PLoS One. 2022 May 6;17(5):e0267494.

  • Okuzono SS, Shiba K, Kim ES, Shirai K, Kondo N, Fujiwara T, Kondo K, Lomas T, Trudel-Fitzgerald C, Kawachi I, VanderWeele TJ. Ikigai and Subsequent Health and Wellbeing Among Japanese Older Adults: Longitudinal Outcome-wide Analysis. Lancet Reg Health West Pac. 2022 Apr; 21: 100391.

  • Morita A, Takahashi T, Fujiwara T. Investigation of Age-associated Cognitive Functional Homophily in Community-Dwelling Older Adults’ Confidant Social Networks Using Exponential Random Graph Model. Int J Environ Res Public Health. 2022 Apr 11;19(8):4574.

  • Doi S, Isumi A, Fujiwara T. Association of Adverse Childhood Experiences Including Low Household Income and Peer Isolation with Obesity Among Japanese Adolescents: Results from A-CHILD study. Frontiers in Public Health. 2022 Apr 5;10:754765.

    日本語アブストラクト

    「日本の思春期児童における低所得世帯と友人からの孤立を含む逆境体験と肥満の関連:A-CHILD study」

    【背景】

    子ども期の逆境体験(ACE)は、成人および思春期児童における肥満の主なリスク因子であることがわかっている。友人からの孤立と低所得世帯はACEの1つと考えられるが、これらの体験をACEとして取り上げた研究はほとんどない。そこで本研究では、友人からの孤立と低世帯所得を含むACEが、思春期児童の肥満と関連するかどうかを検討することを目的とした。

    【方法】

    2016年、2018年に実施された足立区子どもの健康・生活実態調査(Adachi Child Health Impact of Living Difficulty (A-CHILD) study)の小学4年生、小学6年生、中学2年生合計6946名の横断データを用いた。8タイプあるACEうち、児童は友人からの孤立に関する1項目、保護者はその他の7項目について質問紙にて回答した。児童のBMIは学校健診データから、世界保健機関(WHO)の基準に沿って算出した。多項ロジスティック回帰を用いて、ACEの経験数および各タイプのACEと、BMIとの関連性を検討した。

    【結果】

    共変量で調整した結果,ACEの数は青年期の過体重や肥満と関連しなかった。ACEの種類別では,ひとり親世帯と低所得世帯が肥満と有意な独立した関連を示した。

    【結論】

    ACEの数は、日本人思春期児童の過体重や肥満と関連しなかったが、ひとり親世帯と低所得世帯は、肥満と有意な正の関連を示した。今後は、思春期児童におけるこの関連を再現するために縦断的研究が必要である。

  • Hosokawa Y, Okawa S, Hori A, Morisaki N, Takahashi Y, Fujiwara T, Nakayama SF, Hamada H, Satoh T, Tabuchi T. The prevalence of COVID-19 vaccination and vaccine hesitancy in pregnant women: an internet-based cross-sectional study in Japan. J Epidemiol. 2022 Apr 5;32(4):188-194.

  • Ashida T, Fujiwara T, Kondo K. Childhood socioeconomic status and social integration in later life: Resultsof the Japan gerontological evaluation study. SSM Population Health. 2022 Apr 4;18:101090.

  • Terada S, Fujiwara T, Obikane E, Tabuchi T. Association of paternity leave with father-infant bonding: Findings from a nationwide online survey in Japan. Int J Environ Res Public Health. 2022 Apr 2;19(7):4251.

    日本語アブストラクト

    「育児休業と父子のボンディング障害との関連」

    【目的】
    育児休業を取得する父親が増加しているが、育児休業が父親と幼児のボンディング(情緒的な絆)に与える影響については、まだ十分に検討されていない。本研究では、2歳未満の子どもを持つ父親を対象に、育児休業と父親と幼児のボンディングの関連を評価することを目的とした。

    【方法】
    2021年7月から8月にかけて実施した全国規模のインターネット調査(JACSIS研究)のデータを用いて横断研究を行った(N=1194)。父子のボンディングは、2つの下位尺度(愛情不足(LA)、怒り・拒絶(AR))からなる赤ちゃんへの気持ち質問票(MIBS-J)で評価し、得点が高いほどボンディングが悪いとした。

    【結果】
    400名(33.5%)の父親が育児休暇を取得したと回答した。育児休業は、共変量調整後のMIBS-J合計点およびARスコアの高さと関連したが(それぞれβ=0.51;95%信頼区間[CI] 0.06-0.96,β=0.26;95%CI 0.03-0.49)、LAスコアとは関連がなかった(β=0.10;95%CI-0.13-0.34)。育児休業とMIBS-J合計点との関連には、子どもの年齢層による傾向は見られなかった(P for trend=0.98)。

    【結論】
    育児休業は、2歳未満の子どもを持つ父親において、絆の障害、特に怒りや拒絶の増加と関連していた。

  • Koyama Y, Fujiwara T, Yagi J, Mashiko H, Great East Japan Earthquake Follow-up for Children study team. Association of parental dissatisfaction and perceived inequality of post-disaster recovery process with child mental health. Soc Sci Med. 2022 Mar;296:114723.

  • Isumi A, Doi S, Ochi M, Kato T, Fujiwara T. Child maltreatment and mental health in middle childhood: a longitudinal study in Japan. Am J Epidemiol. 2022 Mar 24;191(4):655-664.

    日本語アブストラクト

    「学童期における子ども虐待とメンタルヘルス:日本における縦断研究」

    【背景】
    虐待によって生じる有害なストレスは、その後のメンタルヘルスにも影響を与えうる。しかし、虐待とメンタルヘルスの関連を検討した先行研究では未測定の交絡因子が考慮できていないものが多い。そこで本研究では、未測定の交絡因子を考慮した上で、小学低〜中学年における虐待とレジリエンスおよび問題行動の関連を検証することを目的とした。

    【方法】
    東京都足立区における全公立小学校の1年生全員を対象に2015年から実施されている縦断調査「子どもの健康・生活実態調査」のデータを用いた。2015年(小学1年時)、2016年(小学2年時)、2018年(小学4年時)すべてにおいて有効回答であった2,920名を対象とした。3時点の虐待傾向、レジリエンスおよび問題行動(すべて保護者による回答)の関連について、個人内の要因を除去できる固定効果モデルを用いて解析を行なった。

    【結果】
    時間で変化しない未測定の交絡因子、時間で変化する測定された交絡因子、調査年度を調整した結果、小学1年生から4年生において、虐待はレジリンスおよび向社会的行動と負の関連(係数:-0.89, 95%信頼区間:-1.05, -0.72; 係数:-0.03, 95%信頼区間:-0.05, -0.003)、問題行動と正の関連(係数:0.32, 95%信頼区間:0.27, 0.37)があった。さらに男女それぞれでも同様の関連が見られた。

    【結論】
    小学低〜中学年における虐待は、長期にわたりレジリエンスや向社会的行動の発達を阻害し、問題行動を引き起こす可能性が示唆された。今後の研究では、虐待を受けた子どもたちのメンタルヘルスにとって、介入可能な保護因子は何かを検討する必要がある。

  • Listl S, Matsuyama Y, Jürges H. Causal Inference: Onward and Upward! J Dent Res. 2022 Mar 20;220345221084283.

  • Yoshimoto T, Nawa N, Uemura M, Sakano T, Fujiwara T*. The impact of interprofessional communication through ICT on health outcomes of older adults receiving home care in Japan – a retrospective cohort study. Journal of General and Family Medicine. 2022 Mar 20;23(4):233-240.

  • Ishii T, Nawa N, Fujiwara T*. Association between nationwide introduction of public-access defibrillation and sudden cardiac death in Japan: An interrupted time-series analysis. Int J Cardiol. 2022 Mar 15;351:100-106.

  • Okuzono SS, Shiba K, Lee HH, Shirai K, Koga H, Kondo N, Fujiwara T, Kondo K, Grodstein F, Kubzansky L, Trudel-Fitzgerald C. Optimism and Longevity Among Japanese Older Adults. J Happiness Stud. 2022 Mar 11;23:2581-2595.

    https://link.springer.com/article/10.1007/s10902-022-00511-8

  • Kusama T*, Kiuchi S, Tani Y, Aida J, Kondo K, Osaka K. The lack of opportunity to eat together is associated with an increased risk of weight loss among independent older adults: a prospective cohort study based on the JAGES. Age Ageing. 2022 Mar 1;51(3):afac022.

  • Kawahara T, Ueki Y, Nawa N, Miyamae S, Hanafusa M, Goto Y, Tohda S, Fujiwara T*. Characteristics of SARS-CoV-2 super-spreaders in Japan. J Infect. 2022 Feb;84(2):e6-e9.

  • Ogawa T*, Schermann H, Khadka A, Moross J, Moriwaki M, Fushimi K, Fujiwara T, Yoshii T, Okawa A, Shirasawa S. Impact of orthogeriatric care management by orthopedic surgeons and physicians on in-hospital clinical outcomes: A difference-in-difference analysis. Geriatr Gerontol Int. 2022 Feb;22(2):138-144.

  • Ukawa S*, Tamakoshi A, Tani Y, Sasaki Y, Saito J, Haseda M, Shirai K, Kondo N, Kondo K, Kawachi I. Leisure activities and instrumental activities of daily living: A 3-year cohort study from the Japan Gerontological Evaluation Study. Geriatr Gerontol Int. 2022 Feb;22(2):152-159.

  • Koyama Y, Fujiwara T*, Murayama H, Machida M, Inoue S, Shobugawa Y. Association between adverse childhood experiences and brain volumes among Japanese community-dwelling older people: Findings from the NEIGE study. Child Abuse Negl. 2022 Feb;124:105456.

  • Doi S, Isumi A, Fujiwara T. Association of paternal workplace and community social capital with paternal postnatal depression and anxiety: A prospective study. Front Psychiatry. 2022 Feb 17;13:782939.

    日本語アブストラクト

    「父親における職場と地域のソーシャル・キャピタルと産後のうつ・不安との関連に関する縦断調査」

    【背景】

    うつ・不安を予防する要因としてソーシャル・キャピタルがわかっているが、父親における職場と地域のソーシャル・キャピタルと産後のメンタルヘルス不調との関連は明らかではない。そこで、父親における職場と地域のソーシャル・キャピタルと産後3ヶ月時点でのうつと不安の関連を明らかにすることを目的とした。

    【方法】

    東京都の2つの産科医療機関で研究参加募集を行い、417名の父親が本研究に参加した(参加率76.2%)。父親は、職場のソーシャル・キャピタル、地域のソーシャル・キャピタル、抑うつ症状(Edinburgh Postnatal Depression Scale)、不安症状(State-Trait Anxiety Inventory)に関する質問紙に、産後1週および3ヶ月時点で回答した(N=398、追跡率91.2%)。欠損値は多重代入法を用いて処理し、重回帰分析を行った。

    【結果】

    重回帰分析の結果、共変量を調整した後も、地域のソーシャル・キャピタルの高いほど、産後3ヶ月時点の抑うつ症状(Coefficient = -0.21, 95%信頼区間 = -0.33 to -0.08)と不安症状(Coefficient = -0.38, 95%信頼区間 = -0.66 to -0.11)が低いことが示された。一方、職場のソーシャル・キャピタルは、産後1週時点での抑うつ症状または不安症状を調整した後は、産後3ヶ月時点の抑うつ症状と不安症状との関連は認められなかった。

    【結論】

    父親における地域のソーシャル・キャピタルの高さは、産後3ヶ月時点までの抑うつ症状と不安症状を予防しうることが明らかとなった。父親における産後のメンタルヘル不調を予防するために、職場のソーシャル・キャピタルよりも地域のソーシャル・キャピタルを促進するような介入が必要である可能性が示唆された。

  • Nishimura H, Nawa N, Ogawa T, Fushimi K, Fujiwara T*. Association of ambient temperature and sun exposure with hip fractures in Japan: A time-series analysis using nationwide inpatient database. Sci Total Environ. 2022 Fab 10; 807(Pt 1)150774.

  • Ishii E, Nawa N, Matsui H, Otomo Y, Fujiwara T*. Response to the Letter to the Editor on “Comparison of Disease Patterns and Outcomes Between Non-Japanese and Japanese Patients at a Single Tertiary Emergency Care Center in Japan”. J Epidemiol. 2022 Fab 5;32(2):114.

  • Ishii E, Nawa N, Matsui H, Otomo Y, Fujiwara T*. Comparison of disease patterns and outcomes between non-Japanese and Japanese patients at a single tertiary emergency care center in Japan. J Epidemiol. 2022 Feb 5;32(2):80-88.

    日本語アブストラクト

    「日本の三次救急医療センターにおける日本人患者と外国人患者の疾患パターンと転帰の比較」

    【背景】

    日本は歴史的に移民が少ないものの、近年のインバウンド政策により外国人旅行者は急増した。しかし、日本における外国人医療における疾患パターンは明らかではない。本研究は、グローバル化が急速に進む日本において、日本人と外国人患者の疾患パターンと転帰の相違を明らかにすることを目的とした。

    【方法】
    2010年から2019年の間に東京医科歯科大学医学部附属病院の救命救急センターに三次医療またはICUやHCU入院を必要とした外国人患者325人と日本人患者13,370人を対象に、カルテデータの二次解析を行った。多変量線形回帰モデルとロジスティック回帰モデルを適用し、言語障壁の影響を考慮して、Glasgow Coma Scale(GCS)スコアで層別化し、性別と年齢の調整後、診断率、死亡率、入院滞在期間の差を検討した。

    【結果】
    外国人患者は日本人患者に比べて、アナフィラキシー、熱傷、感染症が多く、心血管系の診断は少なかった。性別と年齢の調整後、外国人患者のアナフィラキシー(調整オッズ比(aOR)2.7(95%信頼区間(CI): 1.7, 4.4)および感染症(aOR 2.2(95%CI:1.3, 3.7))の診断が有意に多く、熱傷(aOR 2.3(95%CI:0.96, 5.3))の診断の方がわずかに多かった。GCSスコアにかかわらず、アナフィラキシー、熱傷、感染症の入院滞在期間は、外国人と日本人患者の間に有意差はなかった。

    【考察】
    日本人患者と比較して、アナフィラキシー、熱傷、感染症と診断された外国人患者の割合が多かったが、入院滞在期間における有意差はなかった。外国人観光客や在留外国人におけるアナフィラキシー、熱傷、感染症の予防対策が必要かもしれない。

  • Yamashita A, Isumi A, Fujiwara T*. Online Peer Support and Well-being of Mothers and Children: Systematic Scoping Review. J Epidemiol. 2022 Feb 5;32(2):61-68.

  • Doi S*, Isumi A, Fujiwara T. Association of adverse childhood experiences with postpartum depression and anxiety in fathers: A prospective study. Psychiatry Clin Neurosci. 2022 Jan;76(1):35-36.

    日本語アブストラクト

    「子ども期の逆境体験と父親における産後のうつ・不安との関連に関する縦断調査」

    【背景】
    母親の子ども期の逆境体験(Adverse Childhood Experience: ACE)が産後のメンタルヘルス不調と関係していることがわかっているが、父親におけるACEと産後のメンタルヘルス不調との関連は明らかではない。そこで、父親におけるACEと産後1週および3ヶ月時点でのうつと不安の関連を明らかにすることを目的とした。

    【方法】
    東京都の2つの産科医療機関で研究参加募集を行い、417名の父親が本研究に参加した(参加率76.1%)。父親は、ACE、抑うつ症状(Edinburgh Postnatal Depression Scale)、不安症状(State-Trait Anxiety Inventory)に関する質問紙に、産後1週および3ヶ月時点で回答した(追跡率93.3%)。欠損値は多重代入法を用いて処理し、重回帰分析を行った。

    【結果】
    重回帰分析の結果、ACEを2つ以上経験していた父親は、ACEを経験していない父親と比べて、産後1週時点の抑うつ症状が高く(Coefficient = 1.77, 95%信頼区間 = 0.27 to 3.27)、産後1週時点および3ヶ月時点での不安症状が高かった(産後1週:Coefficient = 7.80, 95%信頼区間 = 3.73 to 11.85;産後3ヶ月:Coefficient = 4.41, 95%信頼区間 = 0.08 to 8.73)。一方、父親のACEと産後3ヶ月時点での抑うつ症状との関連は認められなかった(Coefficient = 1.60, 95%信頼区間 = -0.22 to 3.43)。

    【結論】
    父親におけるACEは、産後1週時点の抑うつ症状、産後1週および3ヶ月時点の不安症状と関連する要因であることが示唆された。

  • Koyama T, Nawa N, Itsui Y, Okada E, Fujiwara T. Facilitators and barriers to implementing shared decision making in Japan: a physician’s perspective. Patient Educ Couns. 2022 Jan 31;S0738-3991(22)00042-8.

  • Osawa E*, Asakura K, Okamura T, Suzuki K, Fujiwara T, Maejima F, Nishiwaki Y. Tracking pattern of total cholesterol levels from childhood to adolescence in Japan. J Atheroscler Thromb. 2022 Jan 1;29(1):38-49.