お知らせ, 研究発表

2018.01.22

「低所得と子どもの呼吸機能との関連:まちと家族の健康調査から(藤原教授責任著者)」がアクセプトされました

「低所得と子どもの呼吸機能との関連:まちと家族の健康調査から」

Amemiya A, Fujiwara T*. Association of Low Family Income with Lung Function
Among Children and Adolescents: Results of the J-SHINE Study. J Epidemiol.
*Corresponding author.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jea/advpub/0/advpub_JE20170220/_article/-char/en

目的:
日本における家庭の所得と子どもの呼吸機能の関連を調べた。

方法:
分析には「まちと家族の健康調査(J-SHINE)」のデータを用いた。まちと家族の健康調査(J-SHINE)対象は東京近郊に住む5歳から17歳までの1224人で、呼吸機能の指標にはFEV1(1秒量)/FEV6(6秒量)(FEV:Forced Vital Capacity)を用いた。所得や他の項目についてはJ-SHINEの質問紙で回答を得た。所得は5段階に分け、低所得の家庭は「世帯所得が300万円未満」と定義した。分析には多重回帰分析を用いた。

結果:
一番所得の高い家庭の子どもの群と比べて、一番所得の低い子どもの群の呼吸機能は統計的に有意に低かった。この関連は、両親の喫煙や両親の喘息の影響を調整してもみられた。

結論:
低所得家庭の子どもたちの呼吸機能が低いことが明らかとなった。そのような環境下にある子どもの肺機能発達を守るために早期介入が必要である。