お知らせ, 研究発表

2018.05.02

「日本の小学生の自己統制力とう蝕の関連」に関する論文がアクセプトされました

日本の小学生の自己統制力とう蝕の関連

Matsuyama Y, Fujiwara T*, Ochi M, Isumi A, Kato T. Self-control and dental caries among elementary school children in Japan. Community Dent Oral Epidemiol.(in press) *Corresponding author

【目的】
子どもの自己統制力は、健康行動を介して、子ども期や成人期以降の様々な健康問題と関連することが報告されている。う蝕はブラッシング習慣や飲食習慣に強く関連するが、自己統制力との関連をみた研究は少ない。そこで本研究では、東京都足立区の小学一年生を対象に、乳歯う蝕経験歯数(dft)と自己統制力の関連および口腔の健康行動がその関連をどの程度媒介するかを検討した。

【方法】
足立区子どもの健康・生活実態調査(Adachi Child Health Impact of Living Difficulty: A-CHILD study)の2015年度調査データの一部を使用し横断研究をした。調査対象者は、足立区内の全公立小学校69校に通う1年生(6〜7歳)の保護者4,291名であった。保護者への質問紙調査で測定した児童の自己統制力と、学校歯科健診のデータを結合し、多変量ポワソン回帰分析および媒介分析で分析した。

【結果】
全ての共変量を考慮後、児童の自己統制力が低いことは、乳歯う蝕が多いことと統計的に有意に関連した(mean ratio = 1.09; 95%信頼区間: 1.06, 1.12)。この関連は、ブラッシング習慣、砂糖の入った飲み物を飲む頻度、間食習慣により、それぞれ18.1%、36.1%、38.3%説明された。

【結論】
児童の自己統制力を高めることにより、う蝕予防につながる可能性が示唆された。