お知らせ, 研究発表

2018.09.13

「抑うつ度への効果におけるソーシャルサポートと愛着スタイルの交互作用」に関する論文がアクセプトされました

「抑うつ度への効果におけるソーシャルサポートと愛着スタイルの交互作用」に関する論文がアクセプトされました。

Kizuki M. and Fujiwara T. Adult Attachment Patterns Modify the Association between Social Support and Psychological Distress. Front Public Health 2018;6:249

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpubh.2018.00249/full

背景:
親しい人からのソーシャルサポートは抑うつの予防要因であるが、その影響は個人の愛着スタイルにより異なる可能性が示唆されている。そこで、抑うつへの影響に関して、愛着スタイルと親しい人からのソーシャルサポートとの交互作用を分析した。

方法:
30~69歳の1648人についてインターネット調査を行った。抑うつ度(K6スコア)をアウトカムとし、成人の愛着スタイルで層化した重回帰分析を行った。年齢、性別、配偶者/子どもとの同居、教育歴、雇用状態、世帯収入で調整した。

結果:
家族や友人からのソーシャルサポートと拒絶型の愛着スタイルとの間に有意な交互作用を認めた(p=0.015)。すなわち、高いソーシャルサポートは、愛着スタイルが安定型の人でのみ有意に抑うつを予防していたが(beta -0.86 [-1.56, -0.16])、愛着スタイルが拒絶型の人では、抑うつのリスク要因となる可能性が示唆された(beta 1.02 [-0.32, 2.37])。

結論:
ソーシャルサポートの効果に関する研究では、愛着スタイルを考慮する必要があることが示唆された。