前田裕斗プロジェクト助教の論文「月経関連疾患と経口避妊薬がワークパフォーマンスに与える影響:全国オンライン調査」が Journal of Occupational and Environmental Medicine (IF1.6))にアクセプトされました。本論文は、米国医師生涯教育プログラムの試験に用いる論文として採用されました。
本研究では月経前症候群(PMS)、月経前不快気分障害(PMDD)、月経困難症がワークパフォーマンスに与える影響を比較し、経口避妊薬がその影響を軽減するかどうか調査しました。 PMSとPMDDがなければ防げたはずの重度労働機能障害の割合は約15%にも達しました。これはうつ病と同じくらいの値とされています。また、経口避妊薬は、PMDDを持つ女性のワークパフォーマンスに対する悪影響を緩和する効果があることが示されました。
Maeda Y, Tabuchi T, Fujiwara T. Menstruation-Related Diseases, Work Performance, and Oral Contraceptive: Nationwide Online Survey. J Occup Environ Med. 2025 Dec 1;67(12):1014-1019. doi: 10.1097/JOM.0000000000003533. Epub 2025 Aug 26. PMID: 40952995.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40952995
「月経関連疾患と経口避妊薬がワークパフォーマンスに与える影響:全国オンライン調査」
【目的】
本研究の目的は、月経前症候群(PMS)、月経前不快気分障害(PMDD)、および月経困難症などの月経関連疾患がワークパフォーマンスに与える影響を比較検討することである。あわせて、一般人口において経口避妊薬がこれらの悪影響を軽減するかどうかを調査した。
【方法】
日本で実施された全国規模のオンライン調査のデータ(n = 4,818)を分析した。回帰分析を用いて、月経関連疾患とプレゼンティーイズム(出勤時の生産性低下)またはアブセンティーイズム(欠勤)との関連、および経口避妊薬による軽減効果を検討した。また、重度の労働機能障害に対する人口寄与危険割合(PAF)をモデルに基づいて算出した。
【結果】
PMDD(月経前不快気分障害)が、プレゼンティーイズムおよびアブセンティーイズムのリスクを最も顕著に高めることが示された。PMSとPMDDによる重度の労働機能障害に対するPAF(PMSやPMDDがなければ防げたであろう障害の割合)は有意であり、合計で約15%に達した。また、経口避妊薬は、PMDDを抱える女性においてのみ、プレゼンティーイズムを有意に軽減することが明らかになった。
【結論】
PMSおよびPMDDは、月経困難症よりも深刻にワークパフォーマンスを阻害する。経口避妊薬は、PMDDを持つ女性のワークパフォーマンスに対する悪影響を緩和する効果があることが示された。

