山岡プロジェクト講師が筆頭著者となる論文「虐待ネグレクト予防のための家庭訪問プログラム「セーフケア(SafeCare®)」―エビデンスに基づく家庭訪問を導入・実装するには」が子どもの虐待とネグレクトに掲載されました。
書籍情報
山岡祐衣,井土優,森尾真由美,小江充大,福井充,近藤強,木村一絵,越智真奈美. 虐待ネグレクト予防のための家庭訪問プログラム「セーフケア(SafeCare®)」―エビデンスに基づく家庭訪問を導入・実装するには. 子どもの虐待とネグレクト (2025) 第27巻第1号 p.114-123.
概要:
家庭訪問プログラム「セーフケア(SafeCare®)」は、虐待ネグレクト予防を目的としたエビデンスに基づいた家庭訪問プログラムである。主に未就学児とその養育者を対象とし、子どもへの声の掛け方や関わり方に関するペアトレを行う「相互交流の科目」と室内の事故予防について学ぶ「安全の科目」があり、養育者は訪問員と一緒にペアレンティング・スキルを練習し身につけていくことを目指している。本稿では、家庭訪問プログラム「セーフケア」を自治体にて導入・実装するための段階的なプロセスとして、①プログラムの翻訳と文化的適応、②自治体との実装会議・コーディネーターの設置、③訪問員への研修と支援体制の構築をいう段階が必要であったことを報告した。今後さまざまな地域での導入・普及に向けて、対象家族への実践を増やしていきながら、ペアレンティング・スキルの向上や虐待・ネグレクトリスクの低下などプログラムそのものの効果検証に加えて、エビデンスに基づくプログラムをどのように導入・実践すると期待される効果が出るのかという、実装の仕方による効果の違いについても検証していくことが求められる。