大学院生のFloretさんの論文「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック下におけるコミュニケーションスタイル・頻度とBMIの関連:足立区子どもの健康・生活実態調査(A-CHILD Study)から」がFrontiers Public Health(IF=3.0)にアクセプトされました。
本研究では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック下において、対面およびオンラインといったコミュニケーションスタイルの違いとBMIの関連を検討することを目的としました。解析の結果、対面でのコミュニケーションの頻度の低下は、特に女子において、肥満のリスクの上昇と関連していました。これらの結果は、対面でのコミュニケーションの重要性について示唆しています。
(書誌情報)
Owusu FM, Nawa N, Nishimura H, Khin YP, Doi S, Shakagori S, Isumi A, Fujiwara T. Association of communication methods and frequency with BMI among adolescents during the COVID-19 pandemic: Findings from A-CHILD Study. Front Public Health. 2025 Feb 28:13:1433523. doi: 10.3389/fpubh.2025.1433523. eCollection 2025.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40093730
【タイトル】
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック下におけるコミュニケーションスタイル・頻度とBMIの関連:足立区子どもの健康・生活実態調査(A-CHILD Study)から
【背景・目的】
これまで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック下におけるコミュニケーション方法とBMIの関連についての研究が不足していました。そのため、本研究では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック下において、対面およびオンラインといったコミュニケーションスタイルの違いとBMIの関連を検討することを目的としました。
【方法】
本研究は、足立区子どもの健康・生活実態調査(N=3,178)の2022年のデータを用いた横断研究です。 コミュニケーション方法を評価するために質問票を用いました。 BMIは、WHOの基準に基づき、過体重および肥満(+1SD)、正常体重(-1SD~<+1SD)、低体重(<-1SD)に分類しました。多項ロジスティック回帰分析を用いて、コミュニケーション方法とBMIの関連を検討しました。
【結果】
対面式コミュニケーションの頻度が減少すると、過体重および肥満のリスクが94%上昇していました(RRR=1.94、95%CI;1.38、2.72)。一方、オンラインコミュニケーションの頻度が増加すると、リスクが46%上昇していました(RRR=1.46、95%CI;1.10、1.95)。オンラインと対面でのコミュニケーションを同時にモデルに投入すると、対面でのコミュニケーション頻度の減少のみが、過体重および肥満のリスクの上昇と関連していました(RRR=1.56、95%CI;1.09, 2.25)。性別で層別化すると、女子では対面でのコミュニケーションの頻度の低下が過体重および肥満のリスクの上昇と関連していましたが、(RRR=2.12、95%CI;1.20, 3.73)、男子では関連は認めませんでした。
【結論】
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック下において、対面でのコミュニケーションの頻度の低下は、特に女子において、過体重および肥満のリスクの上昇と関連していました。