研究発表, お知らせ

2023.10.06

論文「コンビニエンスストアの店舗数と小学生における永久歯のう蝕の数との関連」がアクセプトされました!

那波准教授の論文「コンビニエンスストアの店舗数と小学生における永久歯のう蝕の数との関連」がFrontiers in Public Health(IF = 5.2)にアクセプトされました。

本論文では、藤原研究室が東京都足立区と共同で実施している「子どもの健康・生活実態調査」のデータを用いて、小学生におけるコンビニエンスストアの店舗数と永久歯のう蝕の数との関連を分析しました。
その結果、共変量調整後も、学区内のコンビニエンスストアの数が多い程、小学生の永久歯のう蝕の数が少ない可能性が示唆されました。

Nawa N, Nishimura H, Matsuyama Y, Doi S, Isumi A and Fujiwara T. Association between the number of convenience stores and caries status in permanent teeth among elementary school children: Results from the A-CHILD population-based longitudinal cohort study Frontiers in Public Health. 2023; (in press)

【タイトル】
コンビニエンスストアの店舗数と小学生における永久歯のう蝕の数との関連性

【背景】 日本にはお菓子やジュース、フッ素入り衛生用品などを購入できる24時間営業のコンビニエンスストアが多く存在する。しかし、近隣のコンビニエンスストアの数と小学生のう歯との関連は研究は少ない。本研究は、この関連を調査することを目的とした。

【方法】東京都足立区の小学1年生から4年生までの小学生を対象とした縦断コホート調査(A-CHILD study)のデータを使用した。養育者には2015年、2016年、2018年に質問票に回答してもらった。合計3,136人から有効回答を得た。マルチレベルポアソン回帰分析を用いて関連を検討した。

【結果】コンビニエンスストアの数が少ない学区、数が中間の学区、多い学区の子どもの平均のう歯の数は0.31(SD:0.81)、0.21(SD:0.69)、0.16(SD:0.58)であった。共変量調整後、コンビニエンスストアの数が多い学区と中間の数の学区の子どもは、コンビニエンスストアの数が少ない学区の子どもに比べて、永久歯のう歯の数がそれぞれ44%(平均比0.56、95%CI:0.31、0.998)、31%(平均比0.69、95%CI:0.42、1.13)少なかった。また、用量反応関係も認められた。

【結論】学区内のコンビニエンスストアの数は、小学生の永久歯のう蝕の数に保護的に関連していた。この保護的関連性のメカニズムについてさらなる研究が必要である。