藤原教授のレビュー論文「子ども期の逆境体験が身体的・精神的健康に及ぼす影響:ライフコース疫学の視点から」がPsychiatry and Clinical Neurosciencesに掲載されました!
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/pcn.13464
子ども期の逆境体験(ACEs)の歴史、測定方法、有病率、メカニズムなどについてまとめられています。ぜひご一読ください!
Fujiwara T. Impact of adverse childhood experience on physical and mental health: A life-course epidemiology perspective. Psychiatry Clin Neurosci. 2022 Aug 24. doi:10.1111/pcn.13464.
【日本語アブストラクト】
米国だけでなく、日本を含む諸外国でも、子ども期の逆境体験(ACEs)が心身の健康に長期的な影響を与えることが報告されている。本レビューでは、ACEsの評価方法、すなわち、ACEsの概念(ACEsとは何か)、質問方法(ACEsについてどう尋ねるか)、スコアリング(ACEsの数をどう数えるか)、有病率(ACEsを持つ人はどのぐらいいるか)について議論する。また、ACEsが健康に及ぼす影響について、ライフコース疫学の視点から、臨界期/敏感期モデル、経路モデル、累積モデルを用いて、最近の神経学的エビデンスを交えて、考えられるメカニズムをまとめる。また、世代間伝達、すなわち、母親のACEsが自分の生んだ子どもへの健康に影響を及ぼすことについても検討する。最後に、ACEsの健康への影響を予防・改善する方法について、今後の方向性を議論する。