お知らせ, 研究発表

2022.09.22

論文「思春期における将来の夢と学業成績の関連:高知県子どもの生活実態調査」がアクセプトされました!

プロジェクトセメスター(東京医科歯科大学医学部4年生の学生が研究室に6ヶ月配属する制度)で当教室に所属した柏原朋佳さんが書き上げた論文「思春期における将来の夢と学業成績の関連:高知県子どもの生活実態調査」がInternational Journal of Environmental Research and Public Health(IF=4.614)にアクセプトされました!

Kashiwabara T, Fujiwara T, Doi S, Yamaoka Y. Association between Hope for the Future and Academic Performance in Adolescents: Results from the K-CHILD Study. International Journal of Environmental Research and Public Health. 2022; 19(19):11890. https://doi.org/10.3390/ijerph191911890

https://www.mdpi.com/1660-4601/19/19/11890

【背景】

日本の学校では将来の夢を持つことが重要視されている。本研究は、思春期における将来の夢と学業成績の関係を検討することを目的とした。

【方法】

2016年に高知県で実施された子どもの健康・生活実態調査(Kouchi Child Health Impact of Living Difficulty(K-CHILD)study)からデータを取得し、調査には高知県の中学2年生(=13~14歳)3,477人が参加した。将来の夢、学業成績、勉強や遊びなどの時間に関する情報は、児童記入のアンケートを用いて、レジリエンスに関しては保護者記入のアンケートを用いて、傾向スコア法を用いて解析を行った。

【結果】

2,283人(65.6%)が将来の夢を持っていると回答した。将来の夢を持つ児童は、自己評価の成績が良く(β=0.21、95%信頼区間(CI)=0.10~0.32)、授業以外にも勉強し(オッズ比(OR)=1.89、95%CI=1.37 to 2.61)、本を読み(OR=1.45, 95% CI =1.19 to 1.75)、レジリエンスが高かった(β=1.48, 95% CI =0.98 to 1.98)。テレビやDVDを見る時間には違いがなかった(p=0.61)。

【考察】

以上の結果より、成績向上のため、思春期に将来の夢を持つよう促すことが重要であることが示唆された。