研究発表, お知らせ

2022.09.14

論文「日本の子どもにおける時間帯別の身体活動と遅寝の関連」がアクセプトされました

松山助教(現 健康推進歯学分野・准教授)の論文「日本の子どもにおける時間帯別の身体活動と遅寝の関連」がFrontiers in Pediatrics(IF = 3.569)にアクセプトされました。

本論文では、藤原研究室が東京都足立区と共同で実施している「子どもの健康・生活実態調査」として、小学4年生と中学2年生の身体活動を活動量計で測定し、時間帯ごとの身体活動と睡眠習慣の関係を分析しました。始業前の低強度の身体活動が早寝を促す可能性が示唆されました。早稲田大学との共同研究です。

Matsuyama Y, Isumi A, Doi S, Shibata A, IshiiK, Oka K, Fujiwara T. Timing and intensity of physical activity and late sleeping habit among children in Japan. Frontiers in Pediatrics. 2022.10:915758.

【背景】
どのような時間帯や強度の身体活動が子どもの睡眠習慣に関連するかは明らかでない。本研究は日本の子どもの時間帯別・強度別の身体活動と遅寝の関連を明らかにすることを目的とした。


【方法】
2018年に、東京都足立区の小学4年生と中学2年生を対象に始業前、始業後、放課後の身体活動量(低強度:1.5-2.9 METs、中強度:3.0-5.9 METs、高強度:6.0-20.0 METs)を活動量計で測定した(N = 411)。各時間帯・強度の身体活動と自己回答による平日の遅寝(小学4年生は22時以降の就寝、中学2年生は23時以降の就寝)の関連をポアソン回帰分析で分析した。学年、性別、世帯収入、BMI、運動部への所属、平日の起床時間、同時間帯の別強度の身体活動を調整した。

【結果】
総身体活動は遅寝と関連しなかった。始業前の低強度の身体活動は遅寝が少ないことに関連した(有病率比 = 0.82、95%信頼区間:0.68,0.99)。始業後や放課後の身体活動は遅寝と関連しなかった。

【結論】
始業前の低強度の運動は子どもの早寝を促す可能性が示唆された。