キルギス共和国オシュ州において、オシュ州大統領全権代表エルチベク・ジャンタエフ氏と、国際協力機構(JICA)キルギス共和国事務所長の西形康太郎氏との高官会談が開催されました。本会談では、JICA がオシュ州で支援している主要な取組が確認され、その中で、SATREPS プロジェクト「衛星データ・領域化学輸送モデルを用いた大気汚染評価システムの開発と大気汚染および室内空気汚染対策に関する新拠点の形成」が、キルギス共和国と日本の協力を象徴する主要プロジェクトの一つとして紹介されました。オシュ州政府および JICA 双方は、本プロジェクトが環境モニタリングの高度化、地域インフラの改善に貢献し、最終的にはオシュ州住民の生活の質向上、大気質管理の強化、公衆衛生の改善につながることを強調しました。
また、会談では、地域病院への医療機器供与やインフラ整備など、JICA がオシュ州で支援しているその他のプロジェクトについても意見交換が行われ、本SATREPSプロジェクトがより広い支援枠組みの中で重要な位置づけを占めていることが示されました。今回の会談で SATREPS 大気汚染プロジェクトが州指導部レベルで明確に言及されたことは、環境保健分野における日・キルギス間の国際協力への支持を示すものであり、キルギス南部における新たな研究拠点としての IRCAPS の重要性を裏付けるものになりました。
関連リンク
● Kabar – Kyrgyz National News Agency(キルギス語)
大統領全権代表オフィスの発表を基に報じられた記事:
«ОшМУда абанын сапатын баалоо боюнча илимий борбор ачуу пландалууда»
(本記事では、衛星データ・領域化学輸送モデルを用いた大気汚染評価システムの開発と大気汚染および室内空気汚染対策に関する新拠点の形成の一環として、オシュ国立大学にセンター開設が行われることが伝えられています。)
https://www.kabar.kg/news/oshmuda-abanyn-sapatyn-baaloo-boyuncha-ilimij-borbor-achuu-plandaluuda/
<キルギス共和国におけるSATREPSプロジェクトについて>
「衛星データ・領域化学輸送モデルを用いた大気汚染評価システムの開発と大気汚染および室内空気汚染対策に関する新拠点の形成」は、日本側研究機関として東京科学大学(代表機関)、九州大学、聖路加国際大学と、キルギス共和国の大学・研究機関・行政機関が連携して実施しています。本プロジェクトでは、キルギス共和国における大気質モニタリングの精緻化、健康影響評価の実施、費用対効果の高い大気汚染改善策の提案に向けた科学的基盤の強化を進めています。これにより、キルギス共和国における大気質改善と住民の健康に資することを目指しています。

