研究発表, お知らせ

2024.10.16

論文「学童期のCOVID-19関連スティグマと親・教師からのコミュニケーション支援との関連」がアクセプトされました!

山岡プロジェクト講師の論文「学童期のCOVID-19関連スティグマと親・教師からのコミュニケーション支援との関連」がJournal of Child and Family Studiesにアクセプトされました!

(書誌情報)

Yamaoka Y, Hangai M, Sampei M, Morisaki N. The Associations Between COVID-19-related Stigma of School-age Children and Communicative Support from Parents and Teachers. J Child Fam Stud. (in press)

【タイトル】

学童期の子どもにおけるコロナに関するスティグマと親や教師からの会話によるサポートとの関連」

【背景】
コロナウイルス感染症(COVID-19)流行に伴う恐怖や脅威はスティグマの原因となることがあるが、子どもたちのCOVID-19関連スティグマについてはあまり研究されていない。そのため本研究では、学童児におけるCOVID-19関連のスティグマと、スティグマを緩和するための関連因子を検討した。

【方法】
本研究では、2020年12月に日本で無作為に抽出された5年生と6年生の子どもを対象とした全国郵便調査から得られた1500世帯のデータセットを利用した。子どもたちは、養育者や教師によるコミュニケーション支援(自分の考えを尋ねたり、受け入れたりすること)の頻度と、3つのタイプのスティグマ(self-stigma:自分に対して否定的な感情を持つ、stereotype:決めつけた考えを持つ、discrimination: 差別的な行動をとる)について回答した。スティグマ変数の欠損データを除き、分析対象サンプルは768組(対象サンプルの51.2%)であった。マルチレベル混合効果一般化線形分析を行った。

【結果】
Self-stigmaが子どものスティグマの最も一般的なタイプであった。養育者と教師からのコミュニケーション的支援は、discriminationの低さと有意に関連していた。教師からのより高い支援があると中学2年生ではself-stigmaがより低くくなり、小学5年生ではstereotypeが低かった。困難な時期に、精神的な安全を提供しスティグマを軽減するためには、子どもの気持ちや考えに耳を傾けるという養育者や教師によるコミュニケーション支援が不可欠である。