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「揺さぶられ症候群の予防のための泣きに関する教育的動画の視聴効果:乳児期の子どもをもつ親を対象とした介入研究」がアクセプトされました

2019.07.16

伊角彩、藤原武男*、三瓶舞紀子.「揺さぶられ症候群の予防のための泣きに関する教育的動画の視聴効果:乳児期の子どもをもつ親を対象とした介入研究」日本公衆衛生雑誌.
(in press)

目的
本研究は,死亡率の高い乳幼児揺さぶられ症候群の予防のために厚生労働省が作成した乳児の泣きに関する教育的動画「赤ちゃんが泣き止まない」によって,乳児期の子どもをもつ親の泣きや揺さぶりに関する知識が向上するかについて効果検証を行うことを目的とした。

方法
調査協力の得られた全国の29自治体が,2013年4月1日~2014年3月31日に3〜4か月時の乳幼児健診などの機会を利用して1歳未満の子どもをもつ親を対象に教育的動画を視聴させ,その前後に配布した調査票データの2次解析を行った(N=1,444)。調査票を回収した1,354名(回収率93.8%)のうち,主たる変数の回答に欠損がない1,232名を分析対象とした。調査票では,泣きに関する知識を問う6項目(例:「赤ちゃんが泣いているときにいつもどこか具合が悪いサインだと思いますか」)と揺さぶりに関する知識を問う2項目(例:「泣き止ませるために赤ちゃんを激しく揺さぶることは,良い方法だと思いますか」)について4件法(0~3点)で親に回答を求めた。それぞれの知識に関して合計点(0-100点に換算)を求め,動画視聴の前後で比較した。また親・子ども・世帯の属性や妊娠・出産後の状況による層別化分析,さらに知識スコアの上昇分に関して回帰分析を行った。

結果
動画視聴によって泣きに関する知識が12.4点(95% 信頼区間: 11.7-13.2),揺さぶりに関する知識が4.7点(95% 信頼区間:3.9-5.6),有意に上昇した。親の年齢・性別,子の月齢・性別,第一子,婚姻状況,学歴,世帯収入,祖父母との同居,産後うつ,妊娠期からの家庭内暴力(DV),妊娠が分かった時の気持ち,居住地の規模に関してそれぞれ層別化した結果,既婚以外の群と身体的DV被害者群を除いた全てのサブグループで,有意な知識の増加が確認された。また,動画視聴前後の知識上昇分をアウトカムとして重回帰分析を行ったところ,親の学歴が低い場合より高い方が泣きの知識の上昇分が高かった。揺さぶりに関しては,女性より男性の方が知識が増加し,また祖父母と同居している場合より同居していない方が知識が増加していた。

結論
乳児の泣きに関する教育的動画の視聴は,3〜4か月時の乳児をもつ親の属性や状況に関わらず,泣きや揺さぶりの知識を向上させる効果があることが確認された。

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