国際健康推進医学

ティーチング

博士課程(医歯学系専攻) 「公衆衛生学:特論、演習、研究実習」

1.担当教員

教授 藤原 武男   講師 木津喜 雅   助教 森田 彩子 

2.主な講義場所

M&Dタワー16階国際健康推進医学分野研究室
※演習および研究実習では、場所を変更することがあるので、受講前に担当教員に確認すること。

3.授業目的、概要等

人々が病気にならないようにするにはどうすればいいのか、という疑問を実証データにより解決できるようになることを目的とする。そのために、疾患罹患のリスクについて正しく理解することができることを目標とする。具体的には、疾患になるリスクを高める個体としての要因(遺伝子等)と環境要因、特に社会的環境要因は何か、その交互作用とは何か、胎児期や幼少期の長期的影響といったライフコースの視点も用いて因果推論を行うことができるようにする。また、疫学調査にまつわる様々なバイアスを補正するために、高度な統計解析手法を身につける。さらに、得られたデータを論文化し、国際学術誌に発表することでエビデンスを蓄積し、世界に貢献する姿勢を身につける。最終的には、本授業を通じて、具体的な政策やプログラムを立案し、実際にフィールドで展開することで疾病予防のエビデンスを構築できるようになることを目標とする。

4.授業の到達目標

  1. 疾病罹患のリスクについて正しく説明できる
  2. 自らのリサーチクエスチョンを言語化し、疾病リスクに関する仮説を立てることができる
  3. リサーチクエスチョンを解決するために、フィールドを開拓することができる、または既存のデータにアクセスすることができる
  4. 疫学研究のデザインについて説明できる
  5. 必要なサンプルサイズを計算できる
  6. 一般的な統計解析(多変量解析、ロジスティック解析等)や高度な統計解析(マルチレベル解析、傾向スコア法、多重補完法等)を行うことができる
  7. 論理的にリサーチクエスチョンを正当化することができ、英語で論文を執筆することができる
  8. 介入政策、プログラムを立案し、その効果を検証する研究計画を立案することができる

5.授業方法

講義、少人数または1対1での討論または演習形式で指導する。必要に応じて英語で授業を行う。

6.授業内容

日時が明確でないプログラムについては、適宜、担当教員に確認すること。

特 論
前半では疫学および統計解析の基礎を講義する。後半では高度な統計解析手法について講義する。また、最新の論文を批判的に読みながら、新しいリサーチクエスチョンを生み出す抄読会を行う。
参加可能プログラム
セミナー/抄読会  毎週水曜日 12:00-13:00
大学院特別講義   随時

演習
統計ソフト(Stata)を用いて、実際のデータを使った解析演習を行う。また、フィールド調査への参加を研究の演習とする。さらに、お互いに研究の進捗を発表し、意見交換を行う場に参加し、どのように疫学研究を進めるかについて学ぶ。
参加可能プログラム
解析演習・指導   随時
学外実習(フィールド調査参加)  随時

研究実習
自らのリサーチクエスチョンを解決できるフィールドでの調査および2次データ解析を行い、論文執筆を行う。さらに、お互いに研究の進捗を発表し、意見交換を行う。
参加可能プログラム
調査・分析計画検討会  随時
フィールド調査  随時

7.成績評価の方法

講義、演習、研究実習への参加状況(質疑応答の内容など)、個別の研究の進捗状況、統計解析スキル、論理的思考力、英文論文執筆能力の獲得の程度に基づき、公衆衛生学の専門家としての知識と技能を総合的に評価する。
○講義、演習、研究実習への参加状況
○研究の進捗状況
○統計解析スキル、論理的思考力、英文論文執筆能力の獲得の程度

8.準備学習等についての具体的な指示

事前に提示する配布教材を基に、十分な予習を行うことが必須である。演習および研究実習については、個別に進捗状況に応じた課題を提示する。

9.参考書

  • Leon Gordis著. 木原正博, 木原雅子, 加治正行訳. 疫学 – 医学的研究と実践のサイエンス. 東京:メディカル・サイエンス・インターナショナル,2010.
  • Stephan B Hulley, Steven R. Cummings, Warren S. Browner, Deborah G. Grady, Thomas B. Newman著. 木原雅子, 木原正博訳. 医学的研究のデザイン 研究の質を高める疫学的アプローチ 第4版. 東京: メディカル・サイエンス・インターナショナル,2014.
  • 川上 憲人, 橋本 英樹, 近藤 尚己編集. 社会と健康: 健康格差解消に向けた統合科学的アプローチ. 東京: 東京大学出版会. 2015.
  • イチロー・カワチ, 高尾総司, S.V.スブラマニアン編集. ソーシャル・キャピタルと健康政策: 地域で活用するために. 東京:日本評論社. 2013.
  • Lisa F. Berkman, Ichiro Kawachi, Maria Glymour著. Social epidmeiology. 2nd ed. USA: Oxford University Press; 2014.
  • Richard A. Crosby, Ralph J. DiClemente, Laura F. Salazar著. Research methods in health promotion. San Francisco: Jossey-Bass Public Health; 2006.
  • Marcello Pagano, Kimberlee Gauvreau著. Principles of Biostatistics. 2nd ed. Brooks/Cole; 2000.

10.履修上の注意事項

自らのリサーチクエスチョンを持って参加すること。参加する場合は、事前に教員の許可を取ること。

11.英語による授業

一部を英語で行う

12.オフィスアワー

水曜 10:00~12:00 問合せ先 国際健康推進医学分野 藤原 武男

13.備考

社会人でも履修できるよう、個別の状況に応じた指導を行う。
ハーバード公衆衛生大学院等との国際共同研究プログラムを用意している。
フィールドは国内外を問わない。
進学前の専門性(医学、歯学、栄養学、看護学、経済学、教育学等)も問わない。